2015年5月6日水曜日

ColorChecker Passportの経年劣化具合

以前から気になっていたX-RiteのColorChecker Pssport(カラーチェッカーパスポート)の経年劣化具合を調べてみました。

まず、はじめの注意点
・このテストは新旧の劣化具合を見るためのものであり、公表されている各パッチの数値を正確に再現するものではありません。
(要は新旧のズレさえ分かればいいので、撮影環境は適当です)
・保管環境、使用頻度に大いに依存すると思われますので、このテストは参考程度に考えてください。

ColorChecker Passport(カラーチェッカーパスポート)カラーパッチ劣化
パッチ左半分が新CC、旧CCは右半分。
旧カラーチェッカーの傷が目立つので
Photoshopで修正
測定に使う旧カラーチェッカー(以下CC)は5年ほど前に買い、直射光にはあまり当たらない環境で使用し、保管時はもちろん閉じているという状態。
新CCは1年ほど前に購入、使用環境は同じです。

 1、まず新旧2つを並べて1カットで撮影する。
レンズの周辺減光の影響を避けるためレンズの中心部のみで撮ること。

2、Photoshopで各パッチをフィルターぼかしの平均化を当て、RGB値のバラつきをとりたかったのだが、旧CCに傷が目立ち平均値に影響するので、これは今回行わず。

3、旧CCの各パッチの右半分を切り取り、新CCの右半分に重ねる。
こうすることで、視覚的にズレがわかりやすくなる。

厳密には色はズレてはいるのですが、サムネイルでもわかるズレ量となると青系かなぁといった印象です。
使用頻度が高かったホワイトバランス側でも、誤差程度しかずれていません。
ホワイトバランス取得用途であれば、直射光に晒しつづける過酷な環境で使い続けない限り、2年以上は使えそうな感じですね。

ColorChecker Passport(カラーチェッカーパスポート)ホワイトバランスの劣化
Photoshopの「フィルター→ぼかし→平均」で出した
RGBの平均値
それよりも悪影響を及ぼすのが、各パッチに入っている傷でした。
実は、最初の測定で2を実行していたのですが、RGBの平均化をした際に傷のせいで平均値がズレました。
もしかしたら、LightroomやDNG Profile Editorでプロファイルを作成する際に傷が悪影響をおよぼす可能性があります。
とりあえず、傷を入れないような取り扱いのほうが大事だなと感じた結果でした。


板橋区交通公園の都電荒川線

交通公園の都電荒川線車両
ゴールデンウィークに板橋区の交通公園に遊びに。
都電荒川線の旧車両が展示してあった、いい感じです。

2015年4月28日火曜日

トラブル続きのGODOX V850・V860用バッテリー VB18

トラブル続きのGODOXのバッテリーVB18に進展がありました。

まず経緯の説明
1、GODOX V850、V860用のバッテリーVB18には当たり外れがあり、ハズレ品は充電エラーが出たり、電池が残量がすぐなくなるといった現象が起きる。
原因としては、VB18の内部は約4ボルトのバッテリーを3つ(3セル)直列につないで、合計で約12ボルトを出力する構造になっており、そのいずれか(場合によっては全部)が不良品である事。

VB18_GREPOW_Great Power 分解写真
無印モデル、薄い切り餅を3枚に重ねたような構造。
1枚あたり満充電時約4ボルト、ちなみに容量は1800mAh。
例えば1セルが不良品だった場合、残りの2セルは大丈夫にもかかわらず、電圧は約8ボルトになるので、ストロボの必要駆動電圧に足りず動かない。
また、とりあえず3セル分の満充電をして約12ボルトだったとしても、その中の不良品1セルが急速に電圧低下した場合、すぐに約8ボルトになるので自然放電が早いと錯覚してしまう。
本来リチウムイオンは自然放電に強い電池である。
Facebookの投稿では、GODOXが委託している香港のバッテリー会社Great Powerが勝手に不良品を混ぜているという説がある。

VB18 ドットモデル
VB18 ドットモデル
2、バッテリー不具合を受け、改良品のバッテリーが出まわり始める。
この改良品にはVB18の外装に「●」または「GREPOW(Great Powerの略)」の刻印がある。
Amazonやebayなどのネットショップではこの「GREPOWの刻印入り」を謳っているところがあり、試しに2個買ってみた。
注文は2月、到着は3月、結果は1つが●モデル、1つは無印、GREPOWの刻印入りは無し。
●モデルは今のところ正常に動作し、無印は最初から充電すら出来ない不良品だった。
ただし、●モデルも不具合だったという報告もあるので過信はできない。
この不具合を伏せ、ショップに「GREPOW」の刻印がない事にツッコミを入れた所、
ショップからの返答は、
・世界中からGREPOWの刻印がないツッコミが入る
・刻印はGODOXが一時的に見分けるために入れたので、今生産されているものは無い
・今出荷してるバッテリーは今年(2015年)入荷しているものだから200%大丈夫!
だということでしたが、信用出来ないです…
その後、不具合バッテリーの証拠ムービーを撮り、確認してもらったのち、1つ無料で発送してもらった。
このショップは言うことは嘘くさいのですが、返信スピードと対応力はかなりいいショップでした。

VB18 パッケージ
左上:従来のパッケージ
右下:今回到着のパッケージ(IES)
3、先日到着したバッテリーを開封してみると、今までにないパッケージングだった。
今まではただの白いケースに入っていたが、今回のものは店頭陳列用のパッケージだった。
正直白いケースの方が助かるけど…
それはさておき、刻印のチェックをしてみたところ見慣れない「IES」の刻印を発見。
調べてみると「IES Synergy」フランスの自動車系バッテリー会社のようだ。
もし前述のGreat Powerが勝手に不良品を混ぜている説が正しいのなら、GODOXも被害者側になるので、バッテリー製造の委託先をIES Synergyに切り替えたとすると納得できる話だ。
ちなみに「IESの刻印入り」を謳っているネットショップも幾つかあり、その中の1つの商品を見てみると2015年2月に売り出しが始まったもののようだった。

VB18 IESモデル
VB18 IESモデル
経過報告がすごく長くなったが、まとめると、
・自然放電が早い(と感じる)バッテリーは潜在的に不具合を抱えている可能性がある。
今回買った●モデルは毎日電圧測定している限り電圧が安定している。
・もし買うならIES刻印を売りにしているところから買う。
Great Power製のものは最初からわずかにバッテリーの中央部が膨らむ現象が起きるのだが、IES製は全く膨らんでいないのが信用できる証?
ただし、IESモデルは出回ったばかりなので、1年後に正常動作しているかどうかは誰もわからない。
また、そのショップがちゃんとIES製を送ってくれるかはわからない。

追記2016年5月23日
1年経ちましたが、正常に動いています!


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